(reborn)an oleander




満潮のたびに月から滴り受精する
している僕/息/衝く。

青白い/満月。   



なまあたたかい水の中に喪失が在る(delete)、在るという事象に相応しくない僕に喪失のみが在る(delete)、喪失が屹立する(delete)、孕む世界のやわらかい腹を貫く管から噴き上がる綺麗な、水が虹を描く。
管を覗いて、感じたいと希う、けれど僕の目蓋は何故か閉ざされたままです。ずっと。(close)、ひかりとは、何ですか?人間は、闇よりそれに侵食されることを恐れる。と、二十日鼠が。(close)誰かを、希う。(to)→(me)


              柔らかい爪の隙間に/滲み入って
              すこしだけつめたい/つめたくて
              きもちいい/幽かに痛い/誰か/
              植物性の、くちづけ/誰か/夾竹
              桃の/白さで   /くちづけて


毒よ巡れ、毒よ巡れ、毒よ巡れと三回唱えてから夾竹桃の花弁の白さに穿たれる少女の網膜。オブラートのような白い膜の下りた眼球に世界は写らない。単音をはじく、あれは、(born)いのちの始まりの音(reborn)、ひかりとは何ですか?


              無知ゆえに触れる/心音がズレ/
              る/真夏の快晴に/曝される心臓
              の/音がズレる/和音を意識しな
              さい/白い鳥/和音を/意識しな
              さい/意識しなさい  /和音を


白い肌を、世界は持っている。畢竟女の偶像だと吹聴して回った哲学者の弁は真実に過ぎない。(but)、手に取るフォークの流線、スプーンの丸み、植物のまろやかな細胞、螺子の螺旋、今書いた直線のつもりの曲線、悉く女の弾力と張線を持って、誘う。(but)発情する胎児としての僕は嬰児の喜びを今だ知らないのです。ひかりとは、何ですか?人間はそれに侵食されることを恐れる。


              致死量を/そのままで/食む/白い
              夾竹桃/いのちが軽すぎて/0.30mg
              でた易く爆ぜる/産声を上げながら
              /爆ぜる/チューニング/和音を/
              意識しなさい/意識しなさい/意識
              しなさい/       、ひかりの



人間は、恐れる。その為に夜との性交を繰り返す。夜との性交によって産み落とされた深い夜の嬰児たちはシーソーの片側に哲学書や詩集を積んで自らのいのちの重さを量る。軽すぎて、この世界ではいのちが軽すぎて、嬰児たちは絶望して青褪めた顔で次々と公園の池に飛び込んで潜ってゆく。(a submarine)黄色い潜行、(a submarine)(marine)深く、深く、逃避の為の潜行のさなか、不協和音が鼓膜を微動させる、