青い絵画
まるでやわらかな形をして、
詩人の胡乱な眼差しの先に芽吹くアンニュイに塗れ
僕は、全て、青褪めている。
(風景画、
(遠く海を臨む群青に中てられている
やわらかいのに、何ゆえか暴力的な曲線と白の展開する目映さのなかに、絶え絶えにも息継ぎをしている。
吸って、吐く、一連の所作の中にひかりを閉じ込めては指先に行き渡るように手を振る、手を振って、見送る夏。
物静かに引いてゆくかなしい水位の、鏡のように凪いだ水面に浮べ溶かす過分のひかり。ひとつ、ふたつ、と連鎖する別れを繰り返しきみに告げる、その為にあるかのような数え歌。
遠い川原で石を積み上げるような表情の呼気を重ね、溶け切らず積み上げる侭に従い下のほうから揮発するかなしげな羽ばたきを見つめている。
翅の微動に、ひかりが霧散しうつくしい群青を撒く。中てられて、僕の全身の皮膚は青褪めている。
(けれど、僕はもっとも薄みず色の中に、いる
目蓋を落とす。やわらかななかにも鋭い直線を引いた両手が、遠くなり霞む初恋の詩篇さえ遊ばせるほどに、かなしく青褪めている。
何かしら濡れ、くらい色で、極めて静かに、褪めきっている。
気がつけば書き起こしていたやはり直線の告白に輝度高く目映い花々の感傷の色彩を、重ね、重ね、埋めてゆく。
色彩を忘れ画布の永遠に溶け入ろうとするきみに此処から手を振る、振り続ける、と、指先に行き渡るひかりや、群青。
ひかりに倦む指できみが滲む夏という季節の絵画の凹凸をなぞる、白い灯台の起伏、風に梳られる丘の上の緑青、這う蛇の舌。網膜に、静かに行き渡る青い絵画。
(此処にあっても、僕はもっとも薄みず色の中に、いる
(遠くなりゆく季節、夏に行き渡る
テレビジョンの人々、くらい群集は、険しい幾何学の卵巣の中でトリコロールの夢に溺れながら、息絶え絶えにかなしいニュースを演じている。
やさしい色の服を纏う一人の女性としてのきみもまたトリコロールの夢。嗚呼、それでも其処は、夏は。
そしてきみは十分に絵画だった!と、僕は淡く言い述べる。
(そして僕は、もっとも、霞みながら――、!