定数音(Jack's Mannequin)
(Jack's
Mannequin)深夜の定数音。余りにもメロディアス過ぎるから耳を塞ぐ。塞ぐ。前肢末端。嗚呼両手はこの為にあっただなんてまるでかなしい生き物ですか僕は。青くて。青くて泣きたくなっている。旋律動物。
sup(A)
あらゆる僕の両手はあなたの為ではなく僕の為に。紛れも無く僕の為にこそ僕はあなたの涙を拭う。笑うあなたの頬に触れる。歌うあなたの唇に触れる。若しくは鍵盤を叩く。そう云った愛ある器官であって欲しいと、青くも。嗚呼青くも願っている。願っている。願っている。と、あと一つ反芻。最早哀れな生き物の一つ覚えだねと笑う道化人形と。旋律動物。
sup(A)
神様なんていない、と言い棄てた五秒後に。神様。かくの如く願っているのですと咽喉を震わせている。深夜の。飽和した紫に投げ出された両手の当て処ない運びさえ余りにもメロディアスだね。耳を塞ぐ。
塞ぐ。何故ならセンチメントが律動して青くも。青くも。嗚呼!青い!
(o・mis・sion)僕の為ではなく違う誰かの為に開かれた電気式の月浮ぶ狭い部屋に我が物顔で展開させている、モノドラマ。誰も見ていない!ア、今だ!というタイミングを重視した毎秒のヒステリカル、こんなのどうかな。無表情で油性マジックを以って全身鏡に下らない散文を書くというこれは演出だよ。
左右真逆の僕の無表情に泣き声のような音で綴るこれは夏らしくオレンジカントリーの音楽なんだと、其れをどうか解ってくれないか左手。解ってくれないか右手。かなしいかい両手。柔らかい鍵盤を希求する。満ちたい、器官。あらゆる僕に付随する、。
観客の顔は陶器で出来ていて黒い涙の滴るような化粧。道化人形はうすら笑い。僕はうすら莫迦笑い。ディズニーランドにゴーストバスターズみたいな武装の鼠駆除業者を送り込むってゆう妄想したら電話帳はもうあの夢鼠に齧られていて電話できなかった。懊悩!(o・mis・sion)
sup(A)指、平、甲からなる。器官。嗚呼この器官でどうか柔らかいものに触りたいのです。けれど、あなたにはもう触らない。故に僕は柔らかい鍵盤を希求する、という。旋律動物。
sup(A)
リピート。リピート。百万遍この恋愛をリピートする。皮膚で耳で鼓膜で三半規管で掬うこの恋愛を譜に書き起こす。其の服も其の皮膚も其の脂肪も、血も何も要らないよ。嗚呼ただ其の主旋律とこの両手だけあればあらゆる僕はもう満ちる。「――零れ、ろ!」
sup(A)
心臓がメロディアス過ぎるから耳を塞いでしまいたくなる程に美しい一曲が。ねえあなただったろう。そんなに美人じゃなあないかも知れない。だから少なくとも僕にとってはと云うただ其れだけの弛む仮定に浮かべる笑顔。
sup(A)
嗚呼流れてゆかなくとも其れでも僕に満ちるこれは優しみだと解ってくれないか。前肢末端。両手。を。幸福に誘うピアノロック。嗚呼青くも。青くも磨耗したあらゆる僕や心臓を臨界に導く定数音が、(Jack's
Mannequin)