「全ての谷津を殺してまわれ!喫煙過激派が闊歩する正午。」



仕事を一先ず置いてチャーチルにでも行くかなあ、そうキャラメルハイライズのホットをショートで。と思っていた時に虹村からメールを受信する俺のなんか変に尖った銀色アンテナ。いつだって俺らセブンスター、禁煙令が施行されたら二人で喫煙過激派としての活動を蠢蠢とするこころづもりだ。地球の空気が俺たちに合わないから俺たちは常にこころにステロイドを塗り込んでいる、副作用で沈着したかなしみは死ぬ迄永遠に落ちてくれやしないのだろう。かなしいよ。心臓にそれから皮膚に沈着したかなしみは黒ずんでいてその所為で俺たちはこんなに憂鬱なんだろうかそうだろうか、否!そうだ俺たちを悩ませて止まない人種がこの世界に蔓延っているからなんだ。そうそれは谷津!奇しくも同じ苗字の人間を永遠報われない救いようのない片恋の相手に選んでしまった俺たちはカッフェでこの世界から谷津を一掃駆逐する策を練る。弾丸だ!弾丸だ!ライターに弾丸を込めろ!それは呪わしいほどの愛を込めたキッスだ!街歩く全ての谷津に無差別のキッスを!呪いのような恋心、それから愛を込めたキッスで谷津を殺してまわるんだ!いつもセブンスター、極まれるへヴィスモーカー、咥えタバコで世界を闊歩して子供達の肺と閑静な住宅街の美しい空気を汚しながら生きている俺たちは全ての谷津に14mgの愛と死を!と叫ぶ。ツレナイ谷津を殺したい。可愛い谷津を殺したい。嗚呼殺したいぐらいの愛してる!だなんて俺たちそうビョーキです。このスモーカーっぷりもビョーキです。カートンじゃあ三日で足りない、そんな恋という熱病はそれでもこの皮膚に心臓に染み付いて離れないかなしみを和らげてくれんだよ。ふとした拍子、一瞬漏らした笑顔。ああただそれだけで俺たちの心臓に渡る幸福と云ったら、奇跡だ!奇跡。奇跡が起こるほどの確率でしか笑やしねえ谷津はそんな俺たちをいつもの無表情でスルーする。報われない俺たちは嬉しい哉悲しい哉先天性のマゾヒストなのでこの恋の痙攣に今日も幸福に震える指先。煙草の灰だってそりゃ落ちてくってわけさ恋に落ちているんだ。儚くも、報われない恋に落ちているんだ俺たち。だから二人で今日も谷津を殺す算段をたてる。殺すぐらいに愛する算段を。喫煙過激派の俺たちは地球にセブンスターがなくなったら谷津を嗜好しなくてはそれこそ生きてゆけない!そのことに関して谷津は「馬鹿じゃない」と言葉で語らず眼で言い捨てる。ああ可愛い、憎いったらありゃしないよ!なあ虹村!

虹村。煙草が切れた、セブンスターを買ってきてくれカートンで、あと谷津。